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スイスフランショック

 スイスフランは価格が安定しており、「安全資産」とも呼ばれていました。それが2015年1月15日、突然のフラン高により、1ユーロ=1.20フランから1ユーロ=0.86フランまで急落するという歴史的高騰が起こりました。これが「スイスフランショック」と呼ばれています。

 そもそもの発端は2011年の「ユーロ危機」でした。ヨーロッパ各国はギリシャの財政問題による債務危機に苦しんでいました。このような不安を背景に安全通貨とされていたスイスフランに買いの傾向が強まり、スイスフランは高騰を続けることになります。しかし観光国であったスイスは自国の通貨が高騰することを避けるために、2011年9月6日にスイス中央銀行がユーロ/フランの為替に1ユーロ=1.20フランを上限とする為替介入を発表しました。この政策によってユーロ/フランの相場はしばらく安定することになります。

 しかし、2015年になるとスイス国立銀行は「持続的な政策ではない」という結論を出し、2015年1月15日欧州中央時間午前9時に、突如政策の破棄を発表しました。急な発表によりスイスフランは20分間で約40%下落という歴史的な下落となり、他の通貨にも大きな影響を与える事態になりました。